派遣社員は契約期間満了の離職で自己都合でも失業保険の給付制限なし

派遣は契約期間満了で離職すれば、会社都合・自己都合にかかわらず、給付制限なしで失業保険をすぐにもらえる。

これは事実なのに、派遣社員が離職した時の失業保険の受給について、正しくない情報や古い情報がネット上に溢れかえっている。

私は派遣社員として就業した後に退職するというパターンで、既に3回失業保険を受給しているので、派遣社員が失業した時に失業保険がどのようにもらえるのか、退職のパターンごとに正しい情報を書いておこうと思う。

ちなみに私は2017年9月末で派遣の仕事を退職したが、離職票をすぐに要求して給付制限なしで失業給付を受けている。上の写真を見ていただければ、給付制限なしであることをお分かりいただけるだろう。

※以下の文章中にある離職票の写真は、2017年9月末に離職した時の離職票ではなく一つ前の就業先の離職票の写真を便宜的に載せています。2017年9月末に離職した時の離職票と内容はほぼ同じ(契約期間が違うのみ)で、一つ前の就業先の離職票の方が見やすかった(2017年9月末の離職票は印字が小さすぎて見えない)ので便宜的にこちらの離職票の写真を使っています。

派遣法の抵触日に触れるタイミング(契約期間3年のタイミング)で離職される方はこちらのコメントに書かれている内容が詳しいのでこちらもお読みになることをおすすめします。

自己都合による契約期間満了

契約満了の1ヶ月前(それ以上前でも構わない)に派遣社員側から「次回の更新を希望しません」と申し出た場合、この自己都合による契約期間満了となる

派遣就業の雇用契約書には、「更新する場合がある」と書かれていることが多い。

更新の可能性があったかもしれないけど自分から断ったというパターン。

給付制限なし

私はこのパターンで2回退職しているが、2回とも給付制限なしで失業保険を受け取った。

このパターンは自己都合と捉えることもできるが、もともと契約期間が定められているので、派遣会社側と派遣社員側、双方合意の上の離職とみなされる。無期雇用の人が自己都合で退職するような完全な自己都合退職とは違うのである。

よって、失業給付を受け取る際も、自己都合という理由ではなく「契約期間満了」という離職区分(離職コード2D)になり、給付制限はつかない

ただし、離職の日以前2年間に雇用保険被保険者であった期間が1年以上は必要である。

離職票はすぐに要求しよう

退職するときに、派遣会社に「退職後すぐに離職票を送ってください」と言って問題ない

10年前くらいまでは、契約終了後、1ヶ月くらいは派遣会社が次の就業先を探す期間として待機期間が設けられて(厚生労働省からのお達しによるもの)、派遣社員は離職票を発行してもらえず、仕事もなければ失業保険受給の手続きもできないという理不尽な期間があったが、2009年3月31日の雇用保険法の改正でそれはなくなった。

参考 平成21年雇用保険制度改正関連資料
(「派遣労働者…被保険者資格の取得・喪失手続について」のPDF)

よって、次も同じ派遣会社で働きたい場合も、契約満了までに次の就業先の紹介がなかったらすぐに離職票を要求していい。

離職理由は何でもいい

契約満了による離職の場合、どんな離職理由でも給付制限あり・なしに影響せず、給付制限なしである(ごくまれに例外はあるかもしれない)。

離職票の離職コードの2Dに丸がついていたら、ほぼ確実に給付制限がつかずに失業保険を受け取れるので安心していい。

なので、派遣会社に「更新しない」と伝えるときの理由は、「他の派遣会社で仕事を探す」や、「正社員としての仕事を探す」であってもいい。

会社都合による契約期間満了(雇止め・派遣切り)

契約期間満了による離職で、派遣先側から「更新なし」と言われた場合、会社都合による契約期間満了となる。

この時、派遣社員側は「更新を希望した」というのが重要なので、派遣先側から「更新なし」ということで派遣会社から伝えれられたら、「更新を希望します」という意思表示をしよう

給付制限なし

自己都合による契約期間満了と同様、給付制限なしで失業保険を受け取れる。

給付日数等の優遇がある

さらに、会社都合による契約期間満了での離職の場合、期間の定めのある労働契約が更新されなかったとして、特定理由離職者となり、離職の日以前1年間に雇用保険被保険者であった期間が6ヶ月以上あれば失業保険を受給できる

また、失業保険を受け取れる日数が、自己都合の契約満了で離職した場合に比べて長くなる場合がある。これは、年齢や働いた年数によって違ってくる。

失業保険が何日もらえるかあらかじめ確認したい場合は、下記のハローワークのホームページで確認できる。

基本手当の所定給付日数

会社都合による契約期間満了での離職の場合、離職コードは2Cのはずである。

ブラックな派遣会社だと、会社都合なのに自己都合による契約期間満了退職にされる場合があるというので注意してほしい。

もし、派遣会社側が離職票に書いた離職理由に異議がある場合は、離職票の16番の「離職者本人の判断」の「事業主が〇を付けた離職理由に異議」のところで、「有り」に丸をして、具体的事情記載欄(離職者用)に自分が考える離職理由を書いておけばいい

下記の写真は「無し」に丸をしたパターンの離職票。ここを「有り」にすればいい。

もし、離職理由に異議があったのに「無し」に丸をつけてしまった場合でも、失業保険の受給の手続き時にハローワークで事情を説明すれば適切な対応を取ってくれるので申し出てみよう。

会社都合による派遣契約の中途解約(派遣切り)

給付制限なし

会社都合による派遣契約の中途解約の場合、もちろん給付制限はない。

給付日数等の優遇がある

会社都合による派遣契約の中途解約の場合、特定受給資格者となり、離職の日以前1年間に雇用保険被保険者であった期間が6ヶ月以上あれば失業保険を受給できる。(会社都合による契約期間満了の条件と同じ。)

また、失業保険を受け取れる日数が、自己都合の契約満了で離職した場合に比べて長くなる場合があるのも会社都合による契約期間満了の場合と同様である。年齢や働いた年数によって違ってくる。

会社都合による契約期間満了の場合の説明も読んでくれた人には、繰り返しの説明になるが、失業保険が何日もらえるかあらかじめ確認したい場合、下記のハローワークのホームページで確認しよう。

基本手当の所定給付日数

休業補償

中途解約に関する連絡があってから離職までの期間が30日に満たない場合は、その満たない日数分の賃金または休業補償が支払われることになっている。

休業補償は賃金の6割とされている。

つまり、例えば中途解約が言い渡されてから20日後に離職の場合、10日分の賃金または休業補償が働かなくても支払われるということだ。

大抵の場合は、解雇を言い渡してから30日は働かせることが多いので当てはまるケースは少ないだろう。

自己都合による契約の派遣中途解約

給付制限あり

自己都合による契約の中途解約のケースでも、離職の日以前2年間に雇用保険被保険者であった期間が1年必要であるという条件は、自己都合による契約期間満了での離職のケースと変わらない。

しかし、自己都合による派遣契約の中途解約によって離職した場合は給付制限がついてしまう

なので、できるだけ契約期間満了で退職するようにしよう。

給付制限なしにできる場合もある

派遣契約の中途解約による退職でも「特定受給資格者」や「正当な理由のある自己都合」に当てはまれば特定理由離職者となり、給付制限がつかない場合もある

残業が離職直前の6ヶ月の間に連続する3か月で45時間以上あったり、パワハラ・セクハラの改善を求めたのに改善されなかったり、体力不足や、結婚に伴い通勤不可能になった場合、妊娠・出産など、様々な場合で「特定受給資格者」や「正当な理由のある自己都合」に当てはまることがあるので、下記のハローワークのホームページで確認してみてほしい。

特定受給資格者及び特定理由離職者の範囲の概要

離職票が送られてこなくても仮申請できる!

派遣会社がなかなか離職票を送ってこないこともあると思う。

だが、いろいろ調べていたところ、離職票が送られてこなくても、失業保険の仮申請ができることが分かった!

ハローワークによって対応が違う可能性があるが、実際には離職票がなくても退職日の翌日から失業保険の受給の仮手続きができるとのこと。

なお、ハローワークによっては、退職後すぐに仮申請をしようとしても、離職票が来てから申請してくださいと言われてしまうこともあるようである。

しかしながら、会社側はハローワークに離職票を従業員の退職後10日以内に提出することになっているので、10日を過ぎても離職票が送られてこなかったら、ハローワークに行って失業保険の受給の仮手続きをしたい旨を伝えるのが良さそう。

離職票の発行が遅すぎる場合はハローワークに言えばハローワークの方から派遣会社に離職票を早く提出するように言ってくれることもあるのだそう。

派遣社員は契約期間満了の離職で自己都合でも失業保険の給付制限なしのまとめ

派遣社員が失業保険を受給するにあたって給付制限がつくかつかないか、誤った情報がネットに溢れているので注意してほしい。

私も今回の離職時に、「給付制限つかないよな?」と思ってはいたものの、ネットで誤った情報がたくさん載っていたので、「もしかしたら給付制限がつくのか?法律が変わった?」と少し不安になってしまった。

まとめサイトやキュレーションサイトなどに書かれている情報は、ネットにある情報を集めてまとめただけで、実際に経験していない人が書いていることがあるため、間違った情報があったり、古い情報がそのまま残っていたりする。

また、給付制限ありかなしかの区分けについて、厚生労働省が明確な基準をWeb上で一般公開しておらず、管轄のハローワークによって判断が異なる場合があるというのにも問題がある

現状、失業保険の受給について疑問点があればハローワークに直接問い合わせて確認するのが最も確実である

失業関連の人気記事

今回の失業で失業3回目となる熟練失業人の私であるが、今回の失業でもまた新しい発見があり、「知らなかった!しくじった!」というほどでは...
私は派遣の仕事を雇止めされた後(会社都合での契約期間満了による退職)、また新たな派遣の仕事に就いてハローワークの再就職手当をもらったことが...

シェアする

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

フォローする

コメント

  1. 派遣の上にも3年 より:

    追記:あと、重要なのはhisuiさんのおっしゃる通り、契約期間を満了しているかどうか、になると思います。退職の処理日が、雇用契約書の期間を満了していないと「途中で契約破棄」で自己都合になるかもしれません。社会保険料の負担のがれの為にそういう処理をする派遣会社というのはあります。

  2. みぃ より:

    派遣の上にも3年様コメントありがとうございます。

    契約期間満了については確認し退職日3/31で処理されていましたが派遣会社、ハロワ、労働基準局ともに「労働者からの契約の更新又は延長を希望しない旨の申出があった」に印があり「a 労働者が適用基準に該当する派遣就業の指示を拒否したことによる場合」に印があるので4Dとこちらでご相談の方とは違う返答でした。
    上記で教えていただいた「管轄ハロワの所長権限決済」についてもハロワ窓口で言いましたがうやむやにされました。
    なので今、弁護士に依頼中です。

    本当に東京や埼玉とは認識が違い過ぎてて派遣会社、ハロワ、労働基準局でも皆さんの経験を元に話しましたが「特定受給資格者」について全く理解できてなく時間をくださいと…
    これも厚生労働省のHPにきちんと掲載がないせいだと痛感しています。

    こちらで相談させていただきアドバイスをいただけて感謝しています。本当にありがとうございました。

  3. HKY より:

    初めまして。派遣の退職について調べているうちにこちらにたどり着きました。

    当方派遣社員として一年強勤めており、7月に自己都合の契約満了で退職する予定です。
    こちらで知識を得て、その旨管轄のハローワーク(渋谷)に質問したのですが、

    たとえ契約満了でも、派遣先から契約を切られたとしても、派遣元との契約なので派遣元からの次の斡旋を断れば自己都合として給付制限はつくとのことでした。

    コメントの中でハローワークによって違いがあるということなので、やはり管轄のハローワークでは給付制限を解除できないのでしょうか?

    ご返答よろしくお願いいたします。

    • hisui より:

      そうですね、ただ離職票で判断されるので、実際に手続きしてみないことにはどうなるかわかりません。
      処理する担当の人と電話で対応する人の理解が違うこともあります。

  4. kai より:

    初めまして、当方派遣社員として1年強勤め、2019年7月31日に退職しました。
    契約期間は11月31日まででした。

    退職に至った経緯として、派遣先と派遣元で契約内容を巡るトラブルがあり、7月1日に口頭で解雇通達がきました。
    その際に派遣元から次の就労先の紹介がありましたが、それが派遣先の会社でした。

    同じ勤務先ではありましたが、不規則な労働時間、賃金や各種資格手当額の低下を理由に、紹介を断りました。

    契約期間中による中途解約という事で、会社都合になると思っていたのですが、「次の就労先を断った為」という理由で自己都合退職(4D)と離職票に書かれていました。

    派遣先とのトラブルを理由に中途解約…までは納得できるのですが、契約期間中でありながら自己都合退職扱いとする派遣元の対応に疑問に感じています。

    契約が満了しているなら話は違ってくると思いますが、契約期間中での解約なので、就労先の紹介の有無に関わらず会社都合退職にあたるのでは?と思っております。

    少し稀なケースだとは思いますが、この場で意見を頂きたいと思っています。
    よろしくお願いします。

    • hisui より:

      kaiさん
      疑問を感じているならそのことを派遣元に伝えましょう。
      前職と同等の仕事を紹介されていないようなので、通常だと会社都合退職になると思います。

  5. maru より:

    契約期間満了で辞めたんですが辞めた理由が自己都合だと言われて給付制限がつきました。