私がフリーランスの翻訳者になることを諦めた理由

英語が好き、語学が好きで将来翻訳者になりたいという人も多いと思う。

私も英語が好きで何となく翻訳者になりたいと思って、翻訳学校に通ってみたり、翻訳業務が少しでもある仕事に応募して、仕事で翻訳をしてみたりしてみた。

けれども結局、翻訳一本で生計を立てるようなフリーランスの翻訳者になることは諦めた。というかフリーランスの翻訳者になることに魅力を感じなくなった

その理由について書いていこうと思う。

専門分野がない

私には特定の専門分野がなかった。

大学も文学部の英米文学科出身のため、英語は得意だが、理系の知識などはほとんどなかった。

初めて翻訳の業務に就いたのは特許事務所で、そこでは拒絶理由通知書という特許関連の書類の翻訳を担当したのだが、その翻訳する文書の根本的な内容、技術的なことがわからなかったため、時々ただ字面だけで訳していることがあった。

職場にも技術内容について詳しい人もおらず質問もできない状態だった。

初めて翻訳の仕事をできたことは嬉しかったのだが、やはり翻訳する文書の内容を理解しないとだめだとその時思った。

そして、その打開策として、以下の2つの行動に出た。

翻訳学校に通った

専門的な知識を学びながら実務翻訳を学べる翻訳学校に通うことにした。

受講したコースはILC国際語学センターの「バイオ・医薬特許翻訳コース」(今はこのコースは開講していない)。学ぶなら何となく医薬系かなと思って受講したのだが、結局専門的な知識を腰を据えて学ぶという意欲が私にはなかった。

英語は好きだが、理系の知識や技術的な知識を身につけることに興味がなかったのだ。

メーカーで勤務した

メーカー内での翻訳業務なら、翻訳で内容的にわからないことがあったら質問できると思い、メーカーで翻訳業務に就いた。

この選択はある意味正解だった。技術的にわからないことは社内の人に聞けば解決した。

でも結局、私自身に特に興味のある技術分野はないし、社内にいればわからないところは聞けば解決してしまうので、専門知識を身につけようという気が起こらなかった

翻訳が楽しくない

翻訳する文書の内容がわからなかったり、興味がなかったりすると、翻訳が楽しくなかった

仕事で翻訳業務を始めたころは、仕事で翻訳ができるというだけで嬉しさを感じたのだが、だんだんそれもなくなってきた。

日日翻訳が必要

翻訳する上で一番嫌なのが、ちゃんと意味の通ってない文章の翻訳を頼まれることだ。

社内のちょっとした翻訳を頼まれる時があるのだが、日英翻訳の場合、とても曖昧な日本語で文章を書いている社員の方が多い。

翻訳する文章がそもそも日本語として成り立っていないのだ。

翻訳する際にいちいち質問しながらでないと進まず、まず日本語を添削して「これってこういう意味ですよね?」「こういう風に修正して訳していいですか?」と確認しなければならなかった。

日英翻訳の前に日日翻訳から始めなければならないことがものすごく多かったのだ。

日本人が書いた日本語を理解するのが難解なパズルを解くくらい難しい。そんなことが日常茶飯事だった。

作業が地道

翻訳は地道な作業が必要。

特に私が関わっていた特許翻訳の場合、同じフレーズが繰り返し出てくる。その同じフレーズを違う風に訳すことはできないので入念なチェックが必要になる。

フリーランスの翻訳者になるには几帳面さも大事になってくる。

ITスキルが必須

今や翻訳支援ツールが使えないとフリーランスの翻訳者になることは難しい。

翻訳支援ツールの利用によって、翻訳のスピードも正確性も向上させている翻訳者がたくさんいるからだ。

その他にもフィールドコードを使ったり、Wordマクロを設定したり、フリーランスの翻訳者になるにはあらゆることを一人で調べて実行できなければならない

フリーランスの翻訳者になるには今やITスキルが必須なのである。

私がフリーランスの翻訳者になることを諦めた理由のまとめ

英語が好きで何となく翻訳者という職業に憧れてきたが、フリーランスの翻訳者になるには英語が好きで得意なだけでは無理だということを実感した。

今は翻訳業務が大して楽しくもないし、フリーランスの翻訳者になることに魅力を感じなくなってしまった。

結局私にはフリーランスの翻訳者は向いていなかったのだ。それに気づくのに、翻訳業務を経験し始めてから5年以上かかってしまった。だが後悔はない。

フリーランスの翻訳者には向いていなかったが、翻訳を仕事にするにはフリーランス以外の方法もある。

私は小さいころから言葉に興味があり、英語にも興味があって、将来英語を使った仕事をしたいと思っていた。 現在までに英文事務や翻訳...

また、英語を使う仕事は翻訳以外にもいろいろある。

私は特許事務を長く経験しており、外国の代理人とEメールやレターでやりとりをするコレポン(コレスポンデンス)業務の方が楽しいと感じた。

コレポンなら、自分が考えたことをそのまま相手に英語で伝えれば良いので、翻訳と違って元々の文章の内容がわからなくて苦戦するということがないのだ。

仕事を決める上では自分の好きなことを軸にするのも大事だが、視野を狭めずに本当に自分に合っている仕事は何かということを考えることも重要と感じる。

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