職場にいる優秀な派遣社員に正社員になってほしくて派遣から正社員への登用について打診したけど断られた!なぜだ!理由が知りたい!ということがあるかもしれない。
実際のところ、正社員としての仕事に就けなかったあるいは正社員職で希望に合う仕事がなかったから派遣社員で働いているという派遣社員は全体の20%だけで、それ以外はいろいろな理由で派遣という働き方を選んで働いているので、派遣社員が正社員への打診を断るなんてことは珍しくない。
私自身、今まで派遣で6年以上働いてきて、「正社員になりたい」と言っている派遣社員には一度も出会ったことがないので正社員になりたい派遣社員はごく少数だと思う。
特に、仕事ができて優秀で比較的高収入の派遣社員ほど正社員になりたがらない傾向が強いと思うので、派遣社員側からの視点で、派遣社員が正社員になりたがらない理由、派遣から正社員になることを断る理由について考えてみた。
優秀な派遣社員で正社員志望の人はめったにいない
優秀な派遣社員で本気で正社員志望の人は、派遣で特定の職種で経験を積んでからすぐに転職して正社員の仕事に就くか紹介予定派遣を選ぶことが多いので、正社員志望でかつ優秀な派遣社員で、紹介予定派遣でなく通常の派遣契約で働いている人や仕事探しをしている人はそもそもあまり市場に出回っていない。
優秀な派遣社員で正社員になることに興味がない人はかなり多い
仕事ができる優秀な派遣社員であるがゆえにスキルと経験と成長意欲で世の中を渡り歩いていけるので、正社員になって会社に尽くして会社に守ってもらう必要がない。
派遣先企業側の人は、派遣社員が、能力が高くて派遣で働いているという時点で、正社員として働くことにあまり興味がない人だと考えた方がいい。
正社員になろうと思えばすぐになれそうなのに敢えて派遣を選んでいる人種である。
正社員を目指すのではなく将来的にフリーランスでやっていきたいと考えている派遣社員もいる。
優秀すぎるがゆえに一部の正社員から陰口を叩かれて会社組織にうんざりしている
派遣社員が優秀すぎて、正社員より仕事ができたりすると、正社員から「派遣社員のくせに生意気だ」と言われたり、何か提案したりすると「でしゃばっている」などと陰口を叩かれたりすることもある。
一部の正社員の人が、派遣社員の人に派遣から正社員になってほしいと思っていても、派遣社員の悪口を言う正社員がいると、派遣社員はそんな会社の正社員になろうなんて思わなくなってしまう。
派遣社員が正社員化を断るのは、派遣先企業側にも原因があるということである。
働いている派遣先で目標とするような正社員がいない
自分の能力が高くて優秀すぎるがゆえに派遣先企業の正社員で目標にするような人が存在しなければ、会社に所属してもそれほど成長もなくメリットが少ない。
派遣社員として、職場で働く正社員を見て、今働いている派遣先で正社員になりたいなんて微塵も思わないのである。
正社員になる気はあるかないかの二択で聞くのが悪い
派遣先企業の担当者にこう言いたい。
その会社で正社員になると月収はどのくらいでボーナスはどのくらいで、年収にするといくらになって、有給はどのくらいもらえて、どんな手当があって、どんな仕事が増えて、どんな面倒なことが増えるのかなどをすべて説明したうえで正社員になる気はあるかないか聞け!
なんの条件も提示されずに正社員になる気はあるかないか聞かれたら、正社員志望の派遣社員以外は「あまり興味がない」と答えるだろう。
どうしても正社員になってほしい派遣社員がいるなら、正社員になった場合の待遇について詳細に説明できるように準備をしておけと言いたい。
派遣社員を正社員として雇いたい場合は派遣会社にも連絡を
派遣社員を正社員として雇う場合は派遣会社に紹介料(年収の3分の1くらい)を支払う必要がある。
派遣社員にだけでなく派遣会社の了承も得る必要があるので、必ず派遣会社に連絡しよう。
最初から紹介予定派遣を使え!
「まずは派遣で働いてもらって、良さそうな人なら正社員に登用したい」なんてのは派遣先企業の勝手な都合で、だいたい正社員志望で派遣で働いている人なんてめったにいないのでうまくいくわけがない。
ゆくゆくは正社員として働いてくれる人を探しているのなら最初から紹介予定派遣で人を募集しろ!と派遣先企業の担当者に言いたい。
私が頑なに派遣から正社員になることを拒む理由
派遣社員を見下したり差別したりする正社員がこの世に存在しなくなれば、条件によっては正社員になってもいいと思う。
けれども、現実に、派遣社員の能力が高くて人間性にも問題がないとしても派遣社員を見下したり差別したりする正社員が存在する。
私は、もし自分が正社員になったとして、他の元々ずっと正社員で働いている人から「正社員になれて良かったね」なんて言われたら絶対に耐えられない。
「正社員になれて良かったね」という言葉は、派遣で働いてきた私の人生を侮辱する言葉だ。
派遣社員として誇りをもって働いてきた私は、その一言を言われることに絶対に耐えられない。
派遣社員というだけで、どんなにスキルを高くして経験を積んでも見下されることもあったし、今後も見下してくる正社員はいるだろう。
でも、それが嫌だからと言って、わざわざ正社員になって赤の他人から「正社員になれて良かったね」と言われるよりはまし。私の今までの人生を否定されるより、私の生き方を否定してくる奴らと一生全面対決している方がまし。
だから私は一生正社員にはならない。派遣と個人事業主でやっていく。
仕事ができる優秀な人ほど派遣から正社員になるのを断る理由のまとめ
「正社員になれなかったから派遣で働いているのが派遣社員」なんていうのは正社員側の完全なる妄想。
派遣先企業側の正社員で、派遣社員を正社員として本気で雇用したいと思っている人がこの記事を読んでいたらこう言いたい。
本気で正社員として雇いたいなら、会議室に呼んで、条件をちゃんと提示して、考える日数を与え、改めてまた面談の機会を設けたらどうだろうか?
そうしたら、正社員になることに興味のなかった派遣社員も、今まで頑なに正社員になることを拒んできた派遣社員も、もしかしたら気持ちが揺らぐかもしれない。
この記事を読んでくれた派遣社員におすすめの本3選
ニューエリート
僕は、従来のエリート像とはまったく異なる人たちと、毎日のように出会っています。
「新卒で入社した会社を3ヵ月で退社し、独立した人」
「会社で苦労した結果うつ病を発症し、絶望的な気持ちで退社を決意したものの、復帰してからは見違えるようなパフォーマンスを発揮している人」
「14歳で会社を立ち上げた人」
「会社に勤務しながらアーティストとしても活動している人」
ピョートル・フェリークス・グジバチ『ニューエリート』
イシューからはじめよ
プロフェッショナルとしての働き方は、「労働時間が長いほど金をもらえる」というレイバラー、あるいはサラリーマン的な思想とは対極になる。働いた時間ではなく、「どこまで変化を起こせるかによって対価をもらい、評価される。
自分は自分、バカはバカ
この本は、職場などの生活圏、ネット、社会のいたるところに普遍的に存在する、「他人を攻撃する迷惑な人」と賢く距離を取り、スルーする方法について、僕自身が普段やっていることをお伝えするものです。
ひろゆき『自分は自分、バカはバカ』
面白い記事でした。
どこに行っても悪口をいう人はいるものです。
少し頑張ってみようと思いました。
ジュンさん
コメントありがとうございます。
悪口を言われるということは、反対に、他の一部の人からは評価されていたり人気があるということなのだと思っています。
勇気をもらいました。ありがとうございます。
どういたしまして。そう言っていただけてこちらも嬉しいです。コメントありがとうございます。